2012年最後の日に、やはりこれだけは書いておかねば。
今回のメンバーの中で、黒子沙菜恵さんは知り合ってから最も日が浅い。
にも関わらず、もうずっと一緒に作品を作っているような気がします。
それはもちろん、この二年間が濃密だったという事なのですが、それだけではなく。
感性がわりと似ているのではないかと、思うのです。
それが良いことなのか悪いことなのか分からないけれど。
僕の曖昧で乱暴な思いつきにも怯むことなく向かい合ってくださる姿勢と、
それを体現してくださる能力には感謝と尊敬が尽きません。
かつて・・まだ知り合う前に観た黒子さんのダンスを思い出します。
振り上げられる腕、踏みしめられる脚。
残像が見えるような動きの速さに僕は客席で呆然としていました。
いま一緒に作品を作っていて気付いた事があります。
あれは単純な速度の問題ではなかったのだ。
運動と静止、その狭間を微細に行き来する繊細で精密な身体の震えが残像を
生んでいたのだ。
ただ立っている時でも、黒子さんの身体は音や光や・・あらゆるものに反応し、
震え続け、残像を生み続けている。
像が、残る。
・・ひと、がた？
ああ、そうか。そういう事なのだな。
